FIRE後の2つ目の悩み、それは「暇で暇で死にたくならないのか」という問題です。
前回記事
本件は金融技術とか、節制の心構えなどで対策できるものではなく、ようは人生の生き方の問題ですね。
親しい友人などに「FIREしようと思っている」と話をするとかなりの確率で言われるセリフです。
仕事辞めて何するの?
仕事辞めたら暇じゃない?
これに対する私の答えはいつも決まっています。
暇だから仕事をしていたわけではないので…。
本件に対する回答や問いの姿勢は、その人の勤めている職場環境にかなり依存すると思います。
- ホワイト企業で社員がみんな紳士
- 仕事内容は面白い
- 勤務時間は快適に業務ができるよう配慮されている
…といった場合、会社や仕事自体が楽しいと思うこともあるのでしょう。
しかし私のようなブラック企業サラリーマンはもちろん、ごく普通の会社員は
生活費のためにイヤイヤ仕事している
のです。生活費が手に入ったら働く目的がなくなるので「辞めたら暇・辞めなきゃ暇じゃない」を考える事自体がおかしな話。いつの間にか手段が目的になっていませんか?
もちろんわがブラック企業にもたまには良い人もいて、友人のようになっていたりもしますが、こういうのは仕事辞めてからも一緒に遊べばいいだけの事じゃないのかと思います。これらを含めてFIRE達成者のとるべき行動原理はとてもシンプル。
- やりたいこと → やる(法律の範囲で‥)
- やりたくないこと → やらない
- 会いたい人 → 会う
- 会いたくない人 → 会わない
これだけです。
やりたいことがあまりない、空白の時間ができた、だからと言って「あまりやりたくない仕事をやる・続ける」のは行動原理に反します。
そういうわけで私は暇で暇で仕方がない時は、クラゲのように時間の海に流されていきたいと思います…。
そのうえで心の底から「バイトしたい!!」と思ったら働くのはOKです。
クラゲのように力を抜き、クラゲのような柔軟さで行動様式が変わる。これがFIREの醍醐味なのではないでしょうか。
FIRE民の人生に骨はいらないのです!
「仕事」に対する洗脳
とはいえ「仕事を辞めたらヒマ」「お金があっても仕事はしたい」という思考がわからないでもありません。これはなぜなのか?と考えていたのですが、以下の2つの影響もあるのではないかと思いました。
先生「将来何になりたい?」
幼少の頃の学校教育で必ずこれを聞かれますよね。ちなみに第一生命の調査で今の子どもたちに聞いた結果はこうなっています。
まあ実態としては
- 会社員/公務員ってのは「回答無し」という意味
- 殆どの子どもは今現在興味のあるものを職業に投影して回答している
と推測されるわけですが、問題は
なぜ全部職業で答えさせるのか?
ということです。まあ回答者のほとんどは会社員になるわけで、かつその志望動機は「遊ぶ金欲しさ」になります。
犯行動機と同じ><
私も18年前、遊ぶ金欲しさに労働に手を染めてしまいました…
もちろん例外もあります。例えば「医師」。医療行為ができるのは法律で医師だけだと定められているので、心から医療行為がしたければ(イヤでも絶対に)医師という職業に就かねばなりません。ですがこれは少数派。まあ子どもがそれを意識しているとは思えませんが。
普通の子どもの本心は
- お父さんの仕事は毎日大変そうだ
- どうせなら楽に金が手に入る仕事をしたい
- どうせ人生のほとんどを拘束されるなら興味がある内容の仕事の方がまだマシ
こういう思考が具現化されたのが上記アンケート結果だと思うのです。
だいたい、このアンケートは「大人になったらなりたいもの」を聞いているわけで、職業ではないのですよ? だから回答の本当のダントツ1位は
- 宝くじ・相続・株などで楽に儲けて一生遊び回っている人
のはずですw
3位のサッカー選手と答えた男児の目の前に3億円を積んで「これあげたらサッカーの夢諦めますか」と聞いてみたい…
悪趣味!
ちなみに私が将来なりたかった職業は。
- あやとりの先生(幼稚園時代)
- 本屋(小学校時代)
- 世捨て人(中学校時代)
- 大学教授(高校時代)
- 何もしたくない(大学)
- アーリーリタイア者(入社後~今まで)
それぞれの理由ですが、アンケートの日に熱中していたあやとりだけをしていたかった、暇な本屋を経営してマンガだけ読んで人生を終えたかった、全てがイヤになった(世捨て人)、大学教授はなんかラクそうに見えた、といった理由でしたw
というわけで私だったら目の前に3億円積まれれば余裕で将来の職業の夢をあきらめたわけです。
だって!
3億円あれば好きな「あやとり」「マンガ」「世捨て」「ラクそうなこと」「何もしないこと」全てできるじゃないですか。それをすべて含むのが最後の夢「アーリーリタイア者」なのです。
結局、「なりたい職業」の本当の意味はこういうことなんですね。普通の子どもはみんな似たようなものだと思います。
しかし!
ひたすら学校教育が「やりたいこと」を「職業」に投影させる洗脳をし続けることにより、いつしか私たちは
「仕事してないと人間としてヤバい」
「仕事が無かったらやる事が無くてつらいはず」
と考えるようになったのではないでしょうか。
でも本当に将来を問うなら「世の役に立つ人」「金持ち」「頭のいい人」「誰とでも仲良くできる人」「勝負強い人」「医療ができる人」みたいな、性質を答えさせるべきだと思うのです。その手段が職業になるにしても、です。
将来なりたかったもの(や今の職業)の向こう側にあるものは一体何なのか?FIRE民はそれと向き合っていかねばならないのでしょう。
「社会人」ってなんだ
もう一つの洗脳は「社会人」という言葉の存在だと思います。この言葉をニュアンスも含めてダイレクトに英語で表現できる単語はなく、割と日本独特の言葉かもしれません。
さて、「社会人」は「学生」の対義語として使われることが多いですよね。そして就職できずに無職になったら「社会人になれなかった」と表現するのが普通だと思います。そしてFIREするということは、「いわゆる社会人生活」を終わらせるということ。でも…
FIRE民も、無職も、社会の一員ですよ!
職業人ではないけど社会人。それがFIRE民なのです。だから仕事をしていなくても、社会でやる事ややれる事はいくらでもあるはず。
ましてやお金をたんまりと貯めたFIRE生活です。自分の心のゆくまま、社会で「何か」をすればよいのです。
仕事を辞めたら、暇じゃないですか?
「社会人」やってる暇はないんです!
FIREの先輩諸氏の悩み
しかしながら現実問題として、既にFIREを達成した先輩諸氏はやはり
「暇だ!今日も暇だ~!」
と日々叫んでおられる方もいます。まあ自由にも慣れてくると辛くなってくるものなのでしょうかね?
ここは初心忘れるべからず、自由を渇望する未FIRE民の私から言いたいことは…
それめちゃくちゃ贅沢な悩みですから!
ということ。
1日24時間全てが自分のもので、どこに出かけても何をしても許される。生活の為に自分の時間を差し出す必要が無い。この状況は人類の求めた最終ゴールと言っても過言ではないでしょう。
週7日のうち7日が休みなのだから、旅先から帰る時間にすら制限がありません。その土地が気に入ったら好きなだけ住めばよいのです。サラリーマンの7連休とは意味が全く異なります。
イヤな人には近づく必要もないし、眠たくなればいつでも寝れるし、食事だっていつでもできますよね。
再度。初心忘れるべからず!
私はまだFIRE生活を堪能したことが無いので偉そうには言えませんが、今現在、FIREの暇の悩みはブラックサラリーマンの生活の悩みの1/10以下ではないか…という感覚を持っています。
自分の置かれた状況の幸せをかみしめよう!
この章はFIREの諸先輩方へのメッセージであると同時に、将来の私に向けた備忘録でもあります。
アーリーリタイアした後に読み返したら、どう感じるのかな?
おわりに
以上、FIRE後の3つの悩みその2 『暇』についてでした。
この悩みは精神的なものなので人によってかなり受け止め方が違うと思いますが、とにかく私はクラゲのように生きていきたいと思います。
次の記事は
FIRE後の3つの悩みその3 『貯金が減りゆく恐怖』
について書いていきたいと思います。
つづく
なるほどー。
労働を止めてから、5ヶ月。
何もしてなくって良いんだっけ、という焦燥感みたいなものは少し感じるけど、
暇をリスクと考えたことは無かったですね。
この先、暇を苦痛と感じることはあるのかな…
読み返してみて、暇、というのは誤解を招きそうなので訂正。
労働してなくても、読書、映画、音楽、散歩、温泉(スーパー銭湯)あたりだけでも、そもそも暇ではないですね。お金かかるものもありますが。
ただ、自由すぎるのが将来苦痛になるかも、というのは考える余地と価値はありそうではあります。
>tthさん
長らく更新しておらず、返信も遅れて申し訳ありません><;
FIRE生活突入、羨ましいかぎりですね!
お金がかからず楽しくのんびり暮らせればそれでいいですよね~!
ちょっとした趣味に没頭していれば暇になんてならないかも。
わたしも早くそちら側に行けるよう、もう少し暇なしで労働にいそしみます><;