『ツイッター民の年収』と『日本国民の年収』を徹底比較!SNSにはお金持ちが多い?それとも年収を盛っている?嘘つきがいる?




「SNSやネットにはお金持ちや勝ち組が多すぎる!」
こんなことを一度は思ったことがあるのではないでしょうか。ツイッター、インスタ、Facebookなどには毎日のようにリッチな投稿が流れています。
どの投稿も自分と比べて月とすっぽん・・・他人と比較して惨めな気分になることもあるでしょう。
そして時にはモヤモヤと・・・こう思ったこともあるのではないでしょうか。

「この人、もしかして盛っている?」
「どうか嘘であってほしい!」

しかしSNSの世界は言ったもの勝ちです。学歴・職業や友達の多さなどは投稿内容を信じる他にありません。

しかし、例えば「年収」などの数値ならどうでしょうか。
数値データなら多くのサンプルを収集して一般的なデータと統計的に比較することが可能です。その中の誰が盛っているかはわからなくても、

「盛っている人が混じっているかどうか」

は分かるかもしれません。

本記事は「ツイッターの自己申告年収」に着目し比較検討を行ったものです。
結論としては

「ツイッターには年収を盛って報告している者がそれなりに存在する」

という話になるのですが、その詳細を見ていきましょう。

調査方法

調査対象はツイッター

調査対象のSNSはツイッターとしました。

ツイッターは国民に広く普及しており、サンプルの偏りが比較的小さいSNSです。

令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

また、ツイッターのプロフィール欄には不特定多数向けに年収を含めた自己紹介を書く人が多いため、集計しやすい構成になっています。

ツイッターを知らない人の為に補足すると、プロフィール欄とは大体このようなレイアウトで書かれています。見やすいですね。

これはもちろん筆者の名前で作ったダミーデータです

・・・お酒以外全く違うじゃないか!

ツイッター民の年収データの収集法

年収データは下記の方法で収集しました。

  • ツイッター内で「年収 自己紹介」で検索
  • 検索結果にバイアスがかからないように新着順で集計(作業日:2022/5/27)
  • 集計対象は各アカウントのプロフィール欄
  • 年収の記載は下記のルールで判定
    ・例「世帯年収400万円」→集計対象外
    ・例「年収400~500万円」→450万
    ・例「年収400万円以上」→400万
    ・例「年収400万程度」→400万

    ・例「年収400万予定」→集計対象外
    ・明らかなネタプロフィール→集計対象外

これで300件集まるまで作業しました。

比較対象は日本全体

ツイッター民の比較対象には国民生活基礎調査を採用しました。
2019年 国民生活基礎調査 II 各種世帯の所得等の状況 2 所得の分布状況
この母集団は「日本人という大きな集団」であり、厚生労働省が集計した信頼のおけるものです。平均年収は552万円、中央値は437万円とされています。

なおこちらは「世帯収入」ですのでツイッター側に若干のハンデを負わせた比較対象となっております。(※単身世帯のデータはサンプルが偏りすぎるので世帯データを採用)

これで準備は整いました。

上記の2つの集団、「ツイッター民vs日本国民」を比較調査することでツイッター民の特徴が探れるはずです。それではさっそく比較結果に移りましょう。

比較結果

「ツイッター民300人の自己申告年収の集計結果」と「2019年国民生活基礎調査」を単純に重ね合わせたのがこのグラフです。(縦軸は相対度数。簡単にいうと「もしも全体が100人の村だったら」の人数と思って貰ってOKです)

全く似ても似つかないグラフになってしまいました。

ハンデをものともせず大逆転です!

グラフに指やマウスを合わせたら数字が見れます

まずは統計値の比較です。

平均値と中央値の比較

日本国民平均所得 552万円
ツイッター平均所得 805万円
日本国民中央値 427万円
ツイッター中央値 600万円

ツイッターは国民に広く普及しているのですから、ランダムに抽出すれば(年齢的な偏りがあるにしても)概ね似たような分布や平均値になるはずです。しかし現実は全く異なっていました。
ここで最初に着目したいのが「0~200万円台の層」です。

年収0~299万円の人は年収をあまり書かない

申告年収0~200万円台におけるツイッター民の割合は、日本国民に比べて圧倒的に少ないです。この理由は容易に想像できます。

結論①

年収0-200万円台の人はあまりプロフィール欄で自己申告しない

強制的に年収を書かされる国民調査に対し、ツイッターは書くも書かないも自由。つまり、0~200万円台の人たちはそもそも集計時の検索に引っかからなかったのです。

相対的に、200万円台以下という年収は決して多い方ではありません。プロフィールのアピール材料に使うことも稀でしょう。併せて、この層には日本国民側では年金受給者、すなわちSNSと比較的縁遠いの割合が多い点もこの差の原因となります。
これで一つの知見は得られたものの、問題が一つ発生します。抽出した母集団自体が大きく異なるのですから再調整が必要です。そこで

  • 0~200万円台のデータはバッサリと落とす
  • 残ったデータだけで相対度数を再計算

これで再度グラフを書きなおしました。

データ調整後の結果

調整後のグラフです。

いくつかピークのズレがあるものの一致率はかなり改善されました。そしてこのピークのズレには「盛っている」の影響が含まれると思われます。

特異な不一致箇所は下図の①、②、④。

それぞれ解説していきます。

①年収300~699万円のピークのズレ → 原因は複雑

  • 国民調査では300万円台から年収が上がるにつれて人数が減少
  • ツイッター民は300万円台から立ち上がり600万円台でピークを迎える

日本国民とは数百万円もピークがズレています。まず考えられる要因は
600万円台などの高年収は自慢できる→報告するモチベーションが高い
という点です。即ち先ほどの0-200万とはの現象です。

ここで、ネイチャー論文の下記報告が参考になります。

“感情面の満足度は年収に伴って上がる。ただしそれは年収6万-7.5万USドル程度で頭打ちになる” (※訳は筆者)

Andrew T. Jebb, Louis Tay, Ed Diener & Shigehiro Oishi (2018). Happiness, income satiation and turning points around the world. Nature Human Behaviour volume 2, pages33–38

為替相場にもよりますが6万ドルといえば700万円くらいですから、この報告を考慮すれば、「300-600万円台は年収と幸福感が比例する層」と言えそうです。300万円→400万円→500万円→600万円→ … と年収が増えるに従ってテンションも上がり、ツイッターにどんどん書き込むことでしょう。だから申告割合が増えます。


ただ、この要因は確かに存在するものの原因の全てではありません。なぜなら、後述する700万~900万の層にさえも盛っている傾向が見られたからです。
だからピークがズレるもう一つの要因は・・もうお分かりの事かと思います。

「年収を盛っている者が混在している」


単純にグラフを見ると、

(再掲)

年収300万円台の人だけが好き放題に400,500又は600万円に盛って報告したようにも見えますよね。

しかし事はそれほど単純ではありません。
だって、300万の人と同様に400万500万の人も盛るからです。もちろん600万の人もです。つまり、ある年収層の盛りによる人数変化は[下位層からの流入] と [上位層への流出] が合わさって、下概念図のように連鎖していると考えられます。

このモデルで遷移確率(=年収を盛っているツイッター民の割合)を推定できれば一番良かったのですが、上記の「年収が上がると人に申告したくなる傾向」という大きな別要因もあるのでうまく算出することができませんでした。

まあ仮にピークズレの原因の半分が盛りによるものだったら、ざっくりと下の図のようになるわけですから、

ざっくり&ズバリ

結論②

年収400~600万円台の人(の2割程度?)は年収を盛っている
注:割合はかなり感覚的なものです

②年収1000万円台が極端に多い → 盛っている人多し

次は1000万円を中心とする高年収帯です。このエリアには3つの特色があります。

  • 年収800900万円台が極端に少ない
  • その代わり年収1000万円台が極端に多い
  • 年収1100万円台は少ない

先ほどの300~600万のエリアと同様に、年収が高いからこそ申告したくなるという傾向ももちろんあるのでしょう。しかし先の論文で“概ね6万~7.5万ドルを超えると幸福度は嵩上げされない”という言説がありました。そのため「申告したがる人が多いから1000万円台の割合が多くなった」という要因の影響は比較的軽微だと解釈します。
そもそも、仮にその影響が支配的ならこのようなグラフになるはずです。

でも実際には極端なデコボコがあります。このデコボコはこう推定するのが自然でしょう。

結論③

年収800万円台、900万円台の人がキリよく1000万円に切り上げ報告した

実際にデータを見ると、1000万円台のカテゴリではピッタリ1000万円の人が異常に多いです。

年収1100万円台が少ない理由はよくわかりません。実際にここまで良い給料を貰っていると「1000万くらい」と少し謙遜して答えるのかもしれませんね。

③年収1300~1999万円 → 日本国民と一致

意外にもこのエリアの傾向は日本国民と非常によく一致しています。

1300~1900万といえば自他共に認める超超高年収ですから、もうわざわざ盛って報告する必要もないのでしょう。職業的には医師の方が目立ちます。
非常に安定感のあるエリアです。

結論④

年収1300万を超えてくると盛ることに興味が無くなる

④年収2000万円以上 → 明らかに人数が多すぎる

安定して推移していた1300万~1900万円台と裏腹に、2000万円以上の階層には極端なピークが現れています
ここは日本人のうち1.2%~1.8%しかたどり着けない神の領域。それに対しツイッター民は5.5%もの人が報告していました。その差約34倍。しかも近隣の人が切り上げ報告をした傾向もみられません。
よってこのエリアを結論付けるのはとても簡単です。

結論⑤

年収2000万円以上の7割以上は虚偽である
※「盛る」を逸脱しているので「虚偽」とした

なお、このエリアの申告者のご職業は

  • 開業医
  • コンサルタント
  • 投資家
  • GAFA勤務

が多いです。

本当なのかなぁ…

う~ん…どうでしょう

結果のまとめ

分析結果のまとめです。

結果のまとめ
  • 年収0200万円台
    → 年収をプロフィールに書かない傾向
  • 年収300500万円台
    → 400~600万へと盛る傾向
  • 年収8001100万円台
    → 丁度1000万に切り上げる傾向
  • 年収13001900万円
    → あまり盛らない傾向
  • 年収2000万円以上
    → 7割以上は虚偽

考察その他

以上、今回の分析は定量的な「年収」を調査し、それなりの人が盛っているだろうという推測ができました。

この結果を考慮すると、恐らくは定性的な学歴職歴友人との交流モテ度家族の幸せ度…といったパラメータも似たり寄ったりの盛り報告をしている人がいるのでしょう。

でも、筆者はSNSで盛ること自体は別に構わないと思います。むしろネットで全てを正直に話す人が果たしてどれほどいるでしょうか。いや、現実世界でも同じでしょう。

たとえ盛っていてもそれで評価されて自尊心を満たせれば精神状態は良くなります。たとえ激しく加工した顔画像であっても、美人、イケメンと言われれば嬉しくなります。その言葉を励みに頑張る気にもなるというものです。

しかしながら・・

すっぴんのあなたの姿を知っているのはあなただけ。「盛り」に留まらぬ「大盛」「特盛」「メガ盛つゆだく!」はちょっと考え物です。
ふと現実に立ち戻り泣きたくなる・・
嘘がバレて余計惨めになる・・

そんな事態を招かないよう、盛り付けトッピングは程々にすることをお勧めします。

あと他人と比較して悶絶している人も、「SNSには盛っている人がそれなりの割合でいる」と心得ていれば少しは溜飲が下がるのではないでしょうか。

ただし、虚偽の年収や実績で人を騙して変な高額商材を販売する輩が存在するのも事実です。こちらは看過できません。純粋なと言えましょう。

「嘘は嘘であると見抜ける人でないと(SNSを使うのは)難しい」

今回の分析結果が少しでも皆様の役に立てば幸いです。

ところで最後に突然話は変わりますが・・・
筆者(絶対仕事辞めるマン)も最近ツイッターでつぶやき始めました!

ほんと突然ですね!

四十の手習いでまだよく分かっていませんが、たまに人畜無害にブツブツとつぶやいています。

↓よろしければこちらのアイコンからぜひご来訪ください↓

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おわり

2 件のコメント

  • 社会学の方に真剣に取り組んでいただく価値があるくらいの話題だと思います。

    0~399万円層は、色々な不幸が重なってSNS(twitter)での情報発信までたどり着くのが難しいのではないかとも思います。根拠ないですけれども。

    中間層に対する推察は個人的にはぴったり当てはまる感じで、私自身は少し下に凹んでいるところに居ますが、転職勧誘電話では右側の上に跳ね上がっているところを装ってます

    一番上の層は…どうなんでしょう。単に暇なのかも。
    でも、twitterしか相手がいないのであれば、それはそれで悲しいような…

    • >tthさん
      ご無沙汰しております、なんかブログのURLが全て自動でめちゃくちゃなことになってしまい、多分昔馴染みのtthさんまでコメント要承認になっていたと思います><;
      大変失礼しました。
      はい、SNSが浸透するに従いウソと事実が曖昧になってきた感じがするのでやや問題だと思って解析してみました。
      世の中の芝生の青さの総量は実際よりどれほど濃いのかと思うところです。
      おっしゃる通り0-399層は一番色々抱えてると考えています。年金暮らしの高齢者も含め、若い人でも機械の扱いが難しい人も多いでしょうね。
      より簡単かつ等身大で議論のできるSNSが求められるところです。
      またよろしくお願いしますね!

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